研究会発足まで

研究会発足まで

異業種交流活動の必要性 昭和39年から

 大阪科学技術センターでは、中堅・中小企業の技術振興対策として、昭和39年に「技術相談所」を開設し、新製品開発や製造工程改善など、生産技術の幅広い分野で相談・指導業務を行っていた。

 さらに、日常の技術相談活動を発展させて、昭和40年には「産学実地研究会」という制度を発足させた。これは大学の先生や公的研究機関の専門家が企業に直接出向いて技術相談に応じるという制度で、日頃から産学協同の恩恵に浴することの少ない中小企業にとっては大きなメリツトとなり、ユニークで実践的な活動として各界に高く評価された。

こうした「技術相談所」「産学実地研究会」での活動の実績が契機となって、昭和四四年、大阪科学技術センターは、大阪府と大阪市から「中小企業における技術開発力強化」というテーマの委託調査を受けることになった。 調査は、機械、金属、化学、電気、繊維の五つの業界の経営者や技術担当重役層を集め、懇談会形式で生の声を聴取するという方法をとった。

その結果は、「中堅・中小企業がこれからの厳しい環境変化に対応して成長・発展していくためには、異種技術の導入・組み合わせが不可欠である。そのためには、異業種企業が一堂に会し、相互に環境の変化を予測し、経営ノウハウや技術交流を行う”場”をつくり、いわば経営資源の補完が行える仕組みをつくる必要がある」とのことであった。

これが異業種交流活動発足の直接のきっかけである。 早速、大阪科学技術センターが事務局となって、異業種交流グループの結成を呼びかけ、これに呼応してきた中堅・中小企業は83社。こうして昭和45年10月、全国で最初の「初めから異業種交流を意図し結成されたグループ」が誕生した。現在の「技術と市場開発(MATE)研究会」の前身である。

>>昭和45年度より15年間のあゆみ